2024年8月24日(土)。吉田さんから、山口県の「別府弁天池」での「オオサンショウウオの目撃情報」が届きましたので紹介します。
「山口県の秋芳洞近くの別府弁天池という名水百選にも選ばれた青く透き通った池を訪れると、その下流わずか20mぐらいのところで、黒くぬめるように光る巨大生物を発見しました! こんな観光地にオオサンショウウオ⁉︎ 自然と人の生活が共存できていることにただただ驚きました。」
「ところで、(日本固有種の)オオサンショウウオでしょうか? 最近はチュウゴクオオサンショウウオやハイブリッドが増えている、という話を聞きますが、この個体はどうなんでしょうか?」
吉田さん、貴重な情報ありがとうございます。名水百選に選ばれる池のすぐ近くで「オオサンショウウオ」というのは、意外な情報でした。また、別府という地名が山口県にあることも初めて知りました。
この個体が、オオサンショウウオか、チュウゴクオオサンショウウオか、あるいは両種のハイブリッドか、ということについては、DNAを調べて見ないと何とも言えないと思います。
山口県のレッドデータブック(「レッドデータブックやまぐち2019」)を調べてみると、山口県には在来のオオサンショウウオが生息しており絶滅危惧IA類(CR)に指定されています。オオサンショウウオ| レッドデータブック (yamaguchi-rdb.com)
生息生育状況については、
「錦川水系、島田川水系の支流には繁殖地が見つかっており、その下流から河口付近までは流下個体が生息する。山口市仁保川(1998年)、九田川(1999年)の成体のように人為分布もある。環境DNA検査から、現認できていない生息地もあると考えられる。尚、他県のような外来種による遺伝子汚染は無い。」
選定理由については、
「国の特別天然記念物としてすでに規制措置がなされている。本県の野生種は、遺伝子検査からも純血種であり、本州西端に残存する個体群として学術的にも希少性が高い。」
このように記載されています。「別府弁天池」について調べてみると、厚東川の最上流部にあたり、これが、錦川水系、島田川水系とどのような関係にあるのかはわかりません。山口県には遺伝子汚染が無い、とされていますが、この記載は少なくとも2019年時点のものですので、現在はどうなっているのかは不明です。
可能性としては、山口県に残存する未確認の個体群の一つで、それがたまたま吉田さんの目にとまった、ということもあるかもしれません。もちろん、誰かの手によって、放流された個体、という可能性もあります。それを確認することは、やはりDNAを調べて見ないとわからないと思います。
いずれにしても、興味深い写真、ありがとうございました。
このことに関して、何か情報をお持ちの方がいらしゃったら、お知らせください。
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