2024年10月31日(木)15時45分頃、運転していた車の窓から、西の空に傾きかけた太陽の右側に小さな虹「幻日」が見えました。急いで空き地に駐車して撮った写真がこれです。
太陽の両側に、小さな虹が見えますね。これが「幻日(げんじつ)」という現象です。文字通り、幻の太陽(日)、という意味で、太陽と同じ高さの両側に、太陽側が赤色、外側が白色や紫色の虹が見られます。
この現象は、朝や夕方など太陽高度があまり高くない時間帯に見られます。また、観察できる時間は数分~十数分程度、とされています。しかし今回は、太陽が沈むまでの30分以上ずっと観察できました。
下の写真は、同日の16時20分頃、渡良瀬川の河川敷の土手から見た夕陽と「幻日」です。虹の赤色がはっきりと見えています。
「幻日」は、朝や夕方の太陽高度が低い時に現れる現象ですが、同日の13時36分、佐野市内で、智泉さんが「幻日」を観察しています。下の写真です。太陽の左側に小さな虹が現れています。智泉さんによると、見つけてから数十秒で消えてしまったそうです。
「幻日」は理論的には、太陽高度が高い時間帯(視角度60.75度より高い位置)だと氷の粒で光の屈折が起こらず、「幻日」は現れないことになっています。しかし、こうして智泉さんによって、13時36分に観察(撮影)されています。これは、超レアな現象ですね。
(もしかすると、智泉さんが3階から観察したとすると、視角度がその分低くなっていたのかもしれません)
しかも、この写真には、「幻日」と太陽を結ぶ曲線上に「幻日環」までうっすらと見えます。「幻日」と「幻日環」が太陽高度が高い時間帯に、同時に見られるのは、さらにレア度が高いのではないでしょうか。
「幻日」と「幻日環」の関係を示す図(日本気象協会)がありましたので、以下に紹介します。
また、今日はハロ(日暈)も観察されています。
この写真は、私の高校時代の恩師である刑部先生が、本日撮影されたものです。野生生物を専門とする写真家の撮影ですので、素晴らしい写真です。こんなに完璧なハロは見たことがありません。
今日(10月31日)は、こんな不思議な気象現象が各地で観察されたようです。これもハロウィンの仕業だったのでしょうか。
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