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​身近な風景

  • 執筆者の写真tokyosalamander

『Beautiful Words』No.11

更新日:3月30日

2023年12月25日(月)。足利大学工学部大学院、建設・環境工学専攻の留学生 Mohammad Marrawl マラウィさんが大切にしていること(願い)を「Beautiful Words 」として紹介します。

マラウィさんは、2020年12月、シリア・アラブ共和国(以下、シリア)から来日しました。来日してから日本語の専門学校で日本語を学び、2022年9月から足利大学の大学院(修士課程)に入学しました。2024年8月で修了する予定です。


シリアでは、アレッポ大学で建築学を学んでいました。アレッポはシリア北部にあるこの国第2の都市で、世界でも最も古い町のひとつです。アレッポには古い遺跡等がたくさんあるため、もし大きな地震が起こった場合、どのような影響があるかをシミュレーションしていたそうです。ちなみに、シリアではアラビア語が公用語で、マラウィさんはイスラム教徒です。(たまたま今日はクリスマスですが、クリスマスを祝うことはないそうです。)


ところで、皆さんは「シリア」がどこにあるか、知っていますか?

(以下のサイトの地図を引用しました。)


シリアは、北にトルコ、東にイラク、南にヨルダン、西にレバノン、南西にイスラエルと国境を接し、北西は地中海に面しています。首都はダマスカス。シリア紛争難民問題など、現在も多くの問題を抱えています。



☆12月12日(火)の午後、マラウィさんと、宇都宮工業高校で行われた「留学生と生徒との交流会」に参加しました。国際交流を希望する1,2年生の4名が出迎えてくれました。

お互いに英語で自己紹介しました。アットホームな雰囲気になってきました。


マラウィさんのプレゼン(自己紹介、研究紹介)が始まりました。


シリアの名所や食べ物の話に、生徒たちは興味津々でした。


続いて、マラウィさんの研究テーマのお話です。マラウィさんは、風力発電所の最大荷重のシミュレーションの研究をしているそうです。


難しい話でしたが、マラウィさんは、易しい言葉に置き換えたり、日本語を交えたりして、一生懸命伝えてくれました。


プレゼンが終わった後は、生徒からの質問に答えたり、逆に生徒に質問したりして、交流が深まりました。マラウィさんは、いつも笑顔を絶やさず、生徒たちを温かく見守っていました。私は、穏やかな人格者、という印象を強く持ちました。


生徒たちからは、翌日、担当の先生を通して、感想やお礼の言葉が届きました。

どんなことでも、ちゃんと受け止めてくれ、日本語でもアドバイスしてくれたことに、とても感謝していました。自分に自信が持てた、という嬉しい感想もいただきました。


帰りの車の中で、マラウィさんは、「本当に私でよかったんでしょうか? 役に立つことができたでしょうか?」と心配そうに聞いてきましたが、もちろん、言うまでもありません。

生徒たちやマラウィさんにとって、素晴らしい体験でした。



☆翌週の12月21日(木)、マラウィさんにもっとお話を聞きたくて、研究室を訪問しました。


<質問1>

なぜ、留学先に日本を選んだのですか?

→「私の兄は日本で仕事をしています。それがきっかけでしたが、日本が安全な国であることも大きな理由の一つです。」


<質問2>

日本や日本人の印象は?

→「日本はきれいな国です。また、静かで安全です。日本人は皆、真面目で優しいです。誰もがルールを守っていることは素晴らしいと思います。」


<質問3>

なぜ、足利大学を選んだのですか?

→「私は、世界に貢献できる仕事をしたいと思っています。世界の大きな流れの中で、自然エネルギーの利用はとても重要です。風力発電の研究をされている山口先生の研究室に入りたいと思い、足利大学の大学院に入学しました。」


<質問4>

将来、シリアに戻られるのですか?

→「いいえ。シリアでは風力発電の需要はありません。日本で、風力発電所の建設やメンテナンスに関わる仕事をしたいと考えています。」


<質問5>

最後に、マラウィさんが大切にしていることや願いを教えてください。

私は、世界が平和で公正になることを心から願っています。そのために、自分のためだけでなく、次世代のために貢献したいと考えています。


シリア国内では、人口の約3割が難民として国を離れたとされています。また、多くの人々は、戦闘による破壊や経済的な破綻の状況の中で厳しい生活を続けています。こうした日常を目にしてきたマラウィさんが、強く平和を望む気持ちは、私たちの想像をはるかに超えるものがあるのではないかと思いました。


今回は、マラウィさんが大切にしていること(願い)が「Beautiful Words」です。


☆世界が平和で公正になることを心から願っています。


平和を願うマラウィさんの言葉に、迷いやためらいはありませんでした。マラウィさんの優しさは、平和を願う強い決意に裏付けられていることを感じました。マラウィさんはイスラム教徒ですのでクリスマスを祝うことはありませんが、私たちが平和と幸せを願うクリスマスにこそ、マラウィさんの願いを心に刻みたいと思いました。


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