2025年1月10日(金)18:30~20:40 高崎芸術劇場で行われた、ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団による「New Year Concert 2025」に行ってきました。
このコンサートのS席9000円にはシャンパンが付いています。ロビーに入ると、シャンパンを片手に談笑する人たちで溢れていました。私はコスパ最高のB席4000円(2階席)です。この値段で聴けるなんて高崎ならではです。
開演は18:30ですが、17:45頃から、ロビーに人だかりができていました。
5人の奏者による「プレコンサート」が始まりました。ウインナワルツを始め、ウィーンにゆかりのある作曲家の作品のメドレー曲などが演奏されました。
2曲くらいやって終わりだろうと思っていましたが、20分以上演奏してくれました。徐々にウィーンの雰囲気が漂い、会場は熱気を帯びてきました。否が応でもコンサート本番への期待が高まりました。開演20分前の18:10、大きな拍手に包まれて「プレコンサート」は終了しました。
ステージは、ニューイヤーコンサート仕様になっていました。(写真はここまでです)
ウィーン・フォルクスオーパーは、ウィーンでは国立歌劇場に次いで2番目に大きな歌劇場です。オペラの他、オペレッタ・ミュージカル・バレエ公演やコンサートなどの会場としても使用され、毎年9月から6月までのシーズン中に約300公演を開催するそうです。劇場名の「Volksoper」とは「大衆オペラ座」のような意味です。この歌劇場の専属オーケストラがコンサートをする際の名称が「ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団」です。
ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団は、1994年から毎年(コロナ期は除く)、日本でニューイヤーコンサートを開催しており、非常に歓迎されています。今回は以下の日程(すべて同一プログラム)で来日しています。
12月31日:ジルベスター(大晦日)コンサート(東京、サントリーホール)
1月1~3日:ニューイヤーコンサート(同)
5日:同(大阪)
7日:同(静岡)
9日:同(愛知)
10日:同(高崎)
つまり、高崎芸術劇場のニューイヤーコンサートは今回のツアーの千秋楽だったんですね。プレコンサートでの楽団員のテンションの高さとサービス精神、コンサート終了後の開放的な笑顔は、日本でのコンサートが今年も大盛況のうちに終わったことへの満足感に溢れていたのかもしれません。
毎年の来日公演では、オーケストラだけでなく、ソプラノとテノールによるオペレッタのアリアやバレエアンサンブルも加わっています。まさに、1月1日にオーストリアのウィーンで繰り広げられるウィーンフィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートの雰囲気そのものでした。
今年は「ワルツ王」ヨハンシュトラウスⅡ世の生誕200年の記念の年ということで、ヨハンシュトラウスⅡ世の選りすぐりの名曲が演奏されました。
特に
オペレッタ「こうもり」序曲
ワルツ「春の声」
ワルツ「皇帝円舞曲」
ワルツ「美しく青きドナウ」
など、じっくりと聴かせる曲が真骨頂でした。
ウインナワルツの3拍子は、2拍目をやや早めにずらすように演奏され、独特の流動感を生んでいますが、今回の演奏では、それがこれでもかというくらい強調されていて、大きな効果を生んでいました。おそらく日本のオーケストラのみならず、ウィーンフィルでも、絶対にこんな風には演奏しないだろうというリズム感でした。これが、ウィーンの大衆オペラ座「Volksoper」ならではの演奏なんだなと、しみじみ実感しました。そして、その心地よさに、会場の聴衆も酔いしれました。普段とは違う、おなじみの名曲の新たな魅力がありました。
アンコールの最後はお決まりの「ラデツキー行進曲」。指揮者の合図で、お客さんの手拍子が巻き起こりました。これで確実にコンサートは終わりだなと皆わかっているので、名残惜しくも力強い拍手を贈りました。
最後に一つ種明かしをしてしまうと、「ラデツキー行進曲」の最後の一音が鳴り終わった瞬間、ステージの左右に配置してあった2つずつの筒は、突如、巨大なクラッカーと化し、天上に届くかのように、金銀のテープやキラキラが、放射状に広がりました。会場が最高潮に達したところで終演となり、楽団員も手を振りながら満面の笑顔で引き上げていきました。
これは、ハマりますね。来年も高崎に来てくれるなら、間違いなく聞きに行きます。想像以上の素晴らしいコンサートでした。
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